ひろと
抗生物質ってどんな薬なんだろう?
さくら
よく病院で処方されるよね。
まちこ先生
処方された薬の説明書きに○○系抗生物質などと記載されていて、見覚えがあるなと感じたことのあるかもね。

性感染症の治療でも抗生物質が使用されることがあるのよ。

ここでは性感染症の治療に用いられる抗生物質の種類について詳しく説明していくわね。

参照記事:性病(性感染症)の治療「抗生剤の服用、注射、塗布により病原体の除去が中心となる。」

抗生物質とは

そもそも抗生物質とはどんな薬なのでしょうか。

抗生物質は感染症の原因となる細菌を殺菌したり、細菌が増えるのを阻害したりする作用のある薬です。

一般的には抗菌薬や抗真菌薬、抗ウイルス薬なども含まれます。

性感染症の場合、ひとつの抗生物質が処方される場合もあれば、複数の抗生物質が同時に処方されることも。

また、薬の効き目が思わしくない場合は抗生物質の種類を変えることもあります。

病原体である最近の特徴は抗菌薬の感受性のもならず、1つ1つの細菌が異なる特徴を持っているので、特徴に応じて抗菌薬も異なります。

そのようなことから、感染している微生物の同定が大事になるのです。

抗生物質の種類

性感染症の治療に用いられる抗生物質は大きく分けて以下の5種類があります。
1.ペニシリン系
2.セフェム系
3.テトラサイクリン系
4.ニューキノロン系 
5.マクロライド系 

同じ性感染症でも異なる種類の抗生物質が処方されることもあります。

薬がどのように作用して効果を発揮するかというメカニズムを「作用機序(さようきじょ)」と呼びます。

それぞれの抗生物質の作用機序を簡単に説明しましょう。

ペニシリン系

ペニシリンは1928年にフレミングがアオカビから発見した世界初の抗生物質で、彼はこの功績でノーベル賞を受賞します。

それまでの感染症治療は自らの免疫力に任せ治癒を待っているだけのものでしたが、ペニシリンは病原体を体内から駆除する画期的な抗菌薬治療としてそれまでの治療法を根底から覆しました。

このようにペニシリンはカビが作る天然の抗菌薬ですが、現在では化学合成した合成ペニシリンも一般的になっています。

病原菌が持つ細胞壁の主な成分であるペプチドグリカンを合成する酵素のはたらきを阻害し、細胞壁の合成をできなくします。

すると、徐々に細胞壁が薄くなり、病原菌の増殖が抑えられ(これを静菌作用と言います)また、細胞壁がなくなったことで細胞に水分が流入し、やがては死滅(殺菌作用があるということ)することになります。

ペニシリンの特徴としてはグラム陽性球菌と多くの嫌気性菌に主に効く抗菌薬です。

また、病原菌には細胞壁がありますが、人間の体には細胞壁が無いので、ペニシリンは人間の体に対する毒性が低い抗生物質として知られています。

ペニシリンが効かない細菌

ペニシリンは細菌の細胞膜を構成する酵素たんぱく質に結合することで効果を発揮しますが、ベータラクタマーゼという物質は先にペニシリンと結合し加水分解し無効化させてしまいます。

ペニシリンが効かない細菌はこのベータラクタマーゼを生成することができ、投与されたペニシリンを無効化させてしまうのです。

ペニシリンの種類
1.点滴用のペニシリンG
2.筋肉注射用のペニシリン
3.アミノペニシリン
4.抗黄色ブドウ球菌合成ペニシリン
5.緑膿菌用ペニシリン
6.ベータラクタマーゼ阻害薬入りペニシリン

セフェム系

セフェム系抗生物質もペニシリン系と同様、細胞壁のペプチドグリカン合成する酵素のはたらきを阻害し、細胞壁の合成をできなくすることで作用します。

ペニシリンのほとんどが、細胞壁をもたないグラム陰性菌に効かないのに対しセフェム系抗生物質のなかにはグラム陰性菌にも効くものがあるのです。

グラム陽性菌
細胞膜と細胞壁がある細菌
グラム陰性菌
細胞膜のみで細胞壁がない細菌

また、セフェム系抗生物質はペニシリン系抗生物質と比較して安定性が高く、アナフィラキシーショックなども起こしにくいと言われています。ただし、腸からの吸収率が低いため、内服薬ではなく筋肉注射や点滴で投与されます。

テトラサイクリン系

いろいろな種類の細菌に対して効果がある抗生物質のことを「広域スペクトルをもつ」と表現します。

テトラサイクリン系抗生物質は、幅広い病原菌に効く広域スペクトルを持つ抗生物質。

グラム陽性菌やグラム陰性菌のほか、嫌気性菌(けんきせいきん)といって、酸素を必要としない細菌やセフェム系が効かないマイコプラズマにも効果があります。

人間の細胞が細胞分裂して増えるときに、たんぱく質の合成が行われるのと同様、病原菌も増殖する際にはたんぱく質を合成しなければなりません。このたんぱく質の合成を阻害するのがテトラサイクリン系の抗生物質です。

たんぱく質の合成は「リボゾーム」と呼ばれる器官が行っています。

テトラサイクリン系抗生物質は人間のリボゾームではなく、細菌のリボゾーム30Sに作用して細菌の増殖を防ぐ静菌効果のある抗生物質です。

テトラサイクリン系抗生物質は副作用が起こりやすく妊娠中の方や子どもには処方できません。

また、細菌が耐性※を得やすく、効き目がなくなってしまうことが多いという欠点もあります。

ニューキノロン系

病原菌の遺伝子情報を持つDNA合成する酵素のはたらきを阻害することで、細菌を死滅させます。

抗生物質には静菌作用と殺菌作用を持つものがありますが、ニューキノロン系は殺菌作用を持つ抗生物質。

広域スペクトルを持つ抗生物質でもあります。

また、腸から薬が吸収されいすいため、内服薬でも注射や点滴と同じくらいの効果が出やすいといメリットも。

ただし関節痛や末しょう神経障害な、うつや不眠などの副作用が報告されており、2016年にはアメリカの厚生労働省にあたるFDAが警告を強化しています。

マクロライド系

マクロライド系抗生物質はテトラサイクリン系抗生物質と同様、たんぱく質の合成を行うリボゾームのはたらきを阻害します。

リボゾームには50Sと30Sの2種類があり、マクロライド系抗生物質は細菌のリボゾーム50Sに作用し、細菌の増殖を抑えます。

マクロライド系抗生物質も広域スペクトルを持ち、副作用が比較的少ないというメリットがあります。

また、ペニシリンに対してアレルギーを起こす患者さんにはマクロライド系抗生物質を処方することがあります。

耐性菌とは

抗生物質について調べていると、よく目にする「耐性菌」という言葉。

「菌が耐性を獲得する」とも言いますが、耐性菌というのはどんな意味なのでしょうか。

抗生物質を使い続けていると、菌の抵抗力が高まり徐々に薬が効かなくなってしまいます。

このような抗生物質への抵抗力を持った最近のことを「耐性菌」と呼んでいるのです。

病原菌が耐性を持つ理由は主に2つあります。

ひとつは細菌の遺伝情報が増殖の過程で変化し、耐性を獲得するケース。細菌はものすごいスピードで増殖していくため、その中には少数ながら抗生物質が効かない「変わり者」も出てきてしまうのです。

もうひとつは、「プラスミド」と呼ばれる細菌がもっている遺伝体が細菌どうしの間で移行するという点です。

プラスミドには耐性に関する遺伝子も含まれているため、ある細菌が耐性を持ってしまうと、別の細菌もその薬に対して耐性を獲得してしまうことになるのです。

問題になるのは複数の細菌に対して効果を持つ抗生物質です。

例えばA,B,C,Dというそれぞれ別の病原菌に対して効果のある抗生物質があったとします。

もし、Aという細菌が耐性を持ってしまうと、プラスミドの移行によって、この抗生物質はB,C,Cの病原菌に対しても効果がなくなってしまうのです。

耐性菌を防ぐためにできること

さまざまな細菌に対して効果がある広域スペクトルをもつ抗生物質は使い勝手がいいように感じますが、複数の細菌に作用するため耐性を獲得されやすいという欠点があります。

本来、このような抗生物質は慎重に投与されるべきと言えます。

また、処方された抗生物質はきちんと飲み切ることも大切。風邪のときに処方された抗生物質を症状が回復したからといって飲むのを中断してとっておき、再度風邪を引いたときに飲む…というのも細菌が耐性をもってしまう原因となるので、自己判断で抗生物質を飲むのをやめたり、残っている抗生物質を飲んだりするのはやめましょう。

抗生物質を処方されたら、途中で症状がよくなっても決められた期間、処方された分を確実に飲むようことを忘れないようにしてくださいね。

性感染症と治療に使われる抗生物質

性感染症とその治療に使用される抗生物質のタイプは以下の通りです。

適応となっていても、中には細菌が耐性を獲得して効果が低くなっている抗生物質もあるため、処方される薬が異なる場合もあります。

ペニシリン系
淋菌感染症梅毒
セフェム系
淋菌感染症
テトラサイクリン系
淋菌感染症梅毒(ペニシリンアレルギーがあるケース)性器クラジミア
ニューキノロン系
淋菌感染症性器クラジミア
マクロライド系
梅毒(妊娠中に使用するケース)性器クラジミア

投与間隔について

薬は決められた容量を飲むことで、危険ではなく、無効でもなく、有効な濃度で血液中に留まることで効果を発揮します。

体内の留まる濃度は時間の経過によって変化し、それは体内で吸収や排泄などにより時間とともに血中濃度は低くなります。

投与してから血中濃度最高域に達した後に徐々に低下し最高血中濃度の半分の濃度になるまでの期間を半減期と呼び、更に時間が進むとやがて無効域になり薬の効果が無くなります。

医師はこれら抗菌薬を処方する時には、「感染臓器はどこか?」「原因微生物は何か?」「重症度は?」を見て適切な抗菌薬を処方します。

医師が処方した薬剤の投薬量や期間は、この半減期を考えて薬毎の特性に合わせたものなので用法や用量はしっかり守りましょう。

薬剤耐性菌とは

細菌やウィルスに感染し、感染部位が炎症などを起こす病気のことを感染症と言いますが、これらの治療には抗生物質とよばれる薬剤が使用されます。

これらの薬剤の使用により病原菌を死滅させることができることから、感染症には頻繁に使用されます。

薬剤耐性とは、これら抗生物質などが効かなくなる状態を指します。

抗生物質により多くの病原体は死滅しますが、病原体の中には長年の薬剤の使用により薬剤に対する耐性を持ったものが現れることがあり、これらを薬剤耐性菌と呼びます。

薬剤耐性菌が増えるメカニズム

このように薬剤耐性菌が出現し薬剤の効果が出なくなる原因にはいくつかの理由が考えられます。

感染症の原因となった病原体が使用した薬剤に対する耐性を持っていると、その薬剤は治療に使っても効果が低いか、効果が無い事を意味します。

細菌の構造から薬剤が効かない場合(自然耐性)

細菌が持っている機能を用いて薬剤を細胞外に排出することで、薬物濃度を下げ、効果を無くす場合があります。

人間には、体内に肝臓や腎臓などの循環器がありこれらの器官は体内の有害物質を体外に排出する役割があります。

同様に単細胞生物である細菌にも構造が変化して、薬剤に対してこれらを排出する機能を持っている細菌が出現する場合があります。

細菌の性質が変わって効かなくなった場合(獲得耐性)

細菌が分裂を繰り返す中で分子構造が変異し、有効であった薬剤の作用点を無効する場合があります。

ウイルスの薬剤耐性獲得には、このパターンが多いとされます。

進化のプロセスにより薬剤に耐性を持ったものが増殖を繰り返す事で、抗菌薬を無効化するための遺伝子を持った種が増えることにより耐性を獲得する場合があります。

自然条件下でも耐性菌は発生している

薬剤を使用しなくてもこれら耐性を持った細菌やウィルスは出現し自然界では混在していますが、薬剤を使用すると耐性菌のみが生き残り増殖する事で種を残します。

抗生物質の治療などで、完治するまでは続け中途半端に自己判断で投与を止めることが無いように医師に言われるのはこのような現象を防ぐためです。

また、抗生物質の乱用が薬剤耐性菌を増やしてしまうのは、以上のプロセスにより自然界でも発生している耐性菌を選別し増殖してしまう事につながり、耐性菌の増殖を加速させてしまうからです。

抗生物質は個人輸入で簡単に手に入りますが、使い方を間違えると薬の効かない耐性菌を増やす原因となるので、薬物治療は医師の処方と指導に従い完治するまで続けるようにしましょう。

参照記事:性病(性感染症)の治療に使われる医薬品

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