抗ウイルス剤の種類「ウイルスの増殖を防いで不活性化させる働きがある。」 | 宅配ドクター

さくら
微生物が原因とみられる場合は抗生物質が使用されてると思ったけど。
ひろと
ウィルスには抗生物質って効果ないんだよね?
まさお先生
性感染症で治療薬が処方される時、抗生物質が処方されるケースと抗ウイルス剤が処方されるケースがあるけど。

この2つの違いがよく分からないという方もいるかもしれないね。

ここでは抗ウイルス剤の役割と種類、どのような性感染症の治療に用いられるかについて詳しく説明していこう。

参照記事:性病(性感染症)の治療「抗生剤の服用、注射、塗布により病原体の除去が中心となる。」

抗ウイルス剤と抗生物質の違い

細菌には、自らが生きていくため細胞膜や細胞壁、たんぱく質を合成するためのリボソームと呼ばれる器官があります。

これに対してウイルスは自分自身の細胞を持たないため、細菌の細胞に作用して効果を発揮する抗生物質を使うことができません。

ウイルスは細菌と比べてはるかに小さく、膜の中に遺伝情報が包まれているような単純なつくりをしています。

細菌のように自らが細胞分裂して増殖することはできず、人間の細胞の中に入りこんで増殖するという特徴があるため、治療する際も、細胞全体を破壊するのではなく、特定のウイルスにのみ毒性を発揮する抗ウイルス剤を用いた治療が必要となるのです。

細胞ごと破壊すると人間の体に害を与えてしまうため、抗ウィルス剤はウイルスを殺すことはできず、増殖を防いで不活性化させることしかできません。

ウイルスはどうやって増える?

ウイルスが増える過程をもう少し詳しく説明しましょう。

ウイルスは自分自身で増えることができないため、感染すると、まずは生きている他の細胞に寄生します。

その後、ウイルスは自らが持っている遺伝情報を持つDNAまたはRNAを遊離(切り離すこと)させ、人間の細胞内に侵入させます。

細胞に侵入したDNAやRNAは人間の細胞を乗っ取り、ウイルスのDNAやRNAが持つ遺伝情報を元にたんぱく質や核酸を合成して、自らを大量にコピー(複製)していきます。

このようにして新しく作られたウイルスは細胞から切り離され、また他の正常な細胞に感染していきます。

ウイルス感染症はこのようにして悪化していくのです。

ウイルスの中にある遺伝情報はDNAとRNAという2つ核酸が持っています。

この2つの核酸がもつ遺伝情報をもとに細胞のもととなるたんぱく質が作られ、人間の体を構成しているのです。

ウイルスの場合、DNA,RNAのいずれかの核酸を持っており、どちらを持っているかはウイルスによって異なります。

例えばHIVウイルスはRNAウイルスですが、B型肝炎ウイルスはDNAウイルスです。

抗ウイルス剤の種類
抗ヘルペス剤
抗サイトロメガロウイルス剤
抗HIV剤
B型肝炎治療薬
C型肝炎治療薬

抗ヘルペス剤

参照記事:性器ヘルペス|ウィルスが体内に残り再発することが多い

ヘルペスウイルスはDNAを持つウイルスです。

細胞内でヘルペスウイルスのDNAが合成されるのを阻害し、ウイルスを不活性化していきます。

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス2型によって引き起こされます。

ヘルペス治療薬は錠剤タイプの内服薬や軟膏、クリームなどがあり、以下の4つが挙げられます。

内服薬
バラシクロビル(製品名:バルトレックス)
内服薬
アシクロビル(製品名:ゾビラックス)
軟膏、クリーム 
ビダラビン(製品名:アラセナ-A)
内服薬
ファムシクロビル(製品名:ファムビル)

これらの治療薬は口唇ヘルペスや帯状疱疹や水疱瘡の治療に用いられることもあります。

性器ヘルペスの場合、初期段階の軽いうちはゾビラックス軟膏やアラセナA軟膏が処方されます。

症状が進むと、ゾビラックスはバルトレックス、ファムシクロビル等を5日間内服することで治療するのが一般的です。

性器ヘルペスに初めて感染した場合、患部の激しい痛みの他に頭痛や高熱が出ることもあります。

この際は抗ヘルペスウイルス剤を点滴することもあります。

抗サイトロメガロウイルス剤

参照記事:サイトメガロウイルス感染症|ヒトヘルペスウイルスの一種サイトメガロウイルス(CMV)による感染

サイトロメガロウイルスはDNAを持つウイルスです。

多くの人が子どものときに感染するウイルスで症状がでないままでいることが多いのですが、免疫が落ちたときやなどにウイルスが再活性化することで発症することがあります。

また、性行為でも感染します。

抗サイトロメガロウイルス剤には以下のようなものがあります。

点滴製剤
ガンシクロビル(製品名:デノシン)
経口内服薬
バルガンシクロビル(製品名:バリキサ)
点滴製剤
ホスカルネット(製品名:ホスカビル)

抗HIV剤

参照記事:エイズとHIV感染症「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して免疫不全を起こす疾患で血液や精液などの体液を介して感染する。」

HIVウイルスはRNAを持つウイルスです。

HIV感染症やエイズを完全に治す薬ではなく、HIVウイルスの増殖を抑え、免疫機能の低下や日和見感染、体重減少、リンパ筋腫脹といった症状の進行を抑えることができます。

抗HIV剤は、複数の抗HIV剤が処方される多剤併用療法がとられます。

これは耐性菌が増えたことや人によって重い副作用が出ることがあるため、異なる作用機序の薬剤が必要であるためです。

場合によっては薬の服用回数や種類、量が増えたりしますが、飲み忘れや服用の中断をしないよう注意しなければなりません。抗HIVには以下の大きく分けて以下の5種類があります。

核酸系逆転写酵素阻害剤
ジドブジン(製品名:レトロビル)アバカビル(製品名:ザイアジェン)、テノホビル/エムトリシタビン(製品名:ツルバダ)、ジドブジン/ラミブジン(製品名:コンビビル)
非核酸系逆転写酵素阻害剤
(製品名:ビラミューン)エファビレンツ(製品名:ストックリン)、デラビルジン(製品名:レスクリプター)、  エトラビン(製品名:インテレンス)、リルピビリン(製品名:エジェラント)
プロテアーゼ阻害剤
リトナビル(製品名:ノービア)ネルフィナビル(製品名:ビラセプト)、ホスアンプレナビル(製品名:レクシヴァ)、ダルナビル(製品名:プリジスタ)
インテグラーゼ阻害剤
ラルテグラビル(製品名:アイセントレス)ドルテグラビル(製品名:デビケイ)エルビテグラビル(製品名:ストリビルド)
CCR5阻害薬
マラビロク(製品名:シーエルセントリ)

B型肝炎治療薬

参照記事:ウィルス性肝炎(B型肝炎とC型肝炎)|感染後に慢性化すると5~10年後に肝硬変や肝臓がんに進む可能性

B型肝炎ウイルスはDNAを持つウイルスです。

B型肝炎ウイルスに対する治療は注射して投与する「インターフェロン」と「核酸アナログ製剤」という抗ウイルス剤を内服する治療の2種類があります。

インターフェロン治療

人間の体がウイルスに感染すると、体内ではそのウイルスに抵抗するための物質が作られます。

インターフェロンはそのひとつです。

インターフェロンはウイルスがDNAを遊離するために必要となる物質やウイルスが増殖する際に行われるたんぱく質の合成を阻害してウイルスの増殖を防ぎます。

インターフェロンは人間の体内で作られますが、B型肝炎やC型肝炎のように感染期間が長い病気にかかると体内で作られるインターフェロンだけでは追いつきません。

そこで体外から大量のインターフェロンを補うのです。インターフェロン製剤は以下のようなものがあります。

インターフェロンα
(製品名:スミフェロン、オーアイエフ)
インターフェロンα2b
(製品名:イントロンA)
インターフェロンβ
(製品名:フエロン)
ペグインターフェロンα2a
(製品名:ペガシス)

核酸アナログ製剤(内服薬)

薬の力で直接、B型肝炎ウイルスの増殖を抑えることができます。

ただし、インターフェロンの治療が24~48週を目安に行われるのに対し、核酸アナログ製剤による治療は長期間、飲み続ける必要があります。

テノホビル
(製品名:テノゼット、ビリアード)
エンテカビル
(製品名:バラクルード)

C型肝炎治療薬

参照記事:ウィルス性肝炎(B型肝炎とC型肝炎)|感染後に慢性化すると5~10年後に肝硬変や肝臓がんに進む可能性

C型肝炎ウイルスはRNAを持つウイルスです。

これまではインターフェロンαの単独注射や、インターフェロンαの注射と抗ウイルス剤リバビリンを組み合わせた治療、また、週に1回の注射ですむ、ペグインターフェロンによる治療が行われてきました。

C型肝炎ウイルス 抗ウイルス剤(内服薬)

リバビリン
(製品名:リバビリン、コペガス、レベトールカプセル)

インターフェロンフリー治療

C型肝炎の新しい治療方法として、2014年からはインターフェロンを使用しない、内服薬だけを服用する「インターフェロンフリー」治療が行われるようになってきました。これらの新しい薬とリバビリンが併用されることも。

どのような治療方法が選ばれるかは患者さんの症状や年齢、状態に合わせて慎重に選ぶ必要があります。

NS3/4A(プロテアーゼ)阻害薬
パリタプレビル・オムビタスビル・リトナビル配合錠(製品名:ヴィキラックス)

アスナプレビル・ダクラタスビル・べクラブビル配合錠(製品名:ジメンシー)

NS5A阻害薬
オムビタスビル パリタプレビル・オムビタスビル・リトナビル配合錠(製品名:ヴィキラックス)
NS5B阻害薬
ソホスブビル・レジパスビル配合錠(製品名:ハーボニー)

参照記事:性病(性感染症)の治療に使われる医薬品

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