目次

エイズ・HIV感染症

ひろと
エイズって怖い病気としかイメージが無いな。
さくら
血液で感染するってことは知ってるけど。

昔からあった病気ってわけじゃないのよね。

概要:エイズを予防するには正しい知識を持つことが大切

教授
そうだね、エイズは1980年代にアメリカで初めての症例が報告されてから一般的に認識されるようになったんじゃ。

それ以来、発症してからの致死率や治癒しないことから数ある感染症の中でも、大きな脅威であり続けているんじゃよ。

日本では、血友病患者や男性同性間性交渉者の間で感染が広がりました。

現在では、海外と違い日本では麻薬の静脈注射などの感染はほぼありませんが、性行為による感染が拡大をしています。

HIVウィルスに感染することイコールエイズにと考えている方も多いかもしれませんが、実は違いHIV感染はまだ症状が出ずにウィルスが増殖している段階で、エイズとは人間の体の免疫細胞が一定数減り免疫力が低下して健常な人ではかからないような病気を次々と発症する状態を指します。

HIVウィルスに感染した状態では目立った症状が出ないことから感染に気がつかず、治療を行わないケースだとエイズを発症するまでに10年程度かかります。

HIVは感染後、長期間経ってからエイズ指標疾患と呼ばれる疾患を発症したときに、初めてエイズ患者と判断されます。

ひろと
HIV感染者=エイズ患者ではないということだね。

病原体

HIV

ヒト免疫不全ウィルス(Human Immunodeficiency Virus)写真提供:HIV 国立感染症研究所

教授
HIVウィルスとは、体内に侵入すると体の免疫システムを破壊しながら増殖し人間に後天性免疫不全症候群を引き起こすウイルスなんじゃ。

HIVが破壊し増殖に利用する免疫細胞は白血球で、それはCD4リンパ球という細胞を狙って攻撃するんじゃ。

このHIVウィルスが認知されたのは1983年で、このウィルスはアフリカの霊長類が保持していたウィルスを起源としており、HIV-1とHIV-2に大別されます。

HIV-2はHIV-1に比べて感染力と病原性が弱く、主に西アフリカ中心に存在し世界的に報告例が少ないのですが、HIV-1は現在世界的に感染拡大しており、日本にて感染例があるものも多くがHIV-1です。

さくら
人間の免疫機能の役割を果たすCD4と呼ばれる白血球を減らしてしまうウィルスってことね。

HIVウィルス感染の仕組み

HIVに感染してからエイズ発症までの経過は、HIV急性感染症(初期症状)⇒ ウィンドウ期間 ⇒ 無症候性キャリア ⇒ エイズ関連症候群 ⇒ エイズ発症 のながれで進行します。

教授
体内に入ると免疫細胞に寄生し、寄生した細胞を自分の増殖に利用し破壊するんじゃ。

HIVは、RNAウイルスで内部に一本鎖のRNA、逆転写酵素、プロテアーゼ、インテグラーゼなどで構成され、表面にはgp41と呼ばれる糖蛋白があり、この糖蛋白で体内のリンパ球などの表面に存在するCD4というレセプターに結合し人間の細胞内に侵入します。

HIVが感染する細胞は表面にCD4などのレセプターを有する細胞であり、主にTリンパ球やマクロフアージなどの免疫系細胞に感染します。

細胞内に侵入したHIVは、逆転写酵素を利用してウィルスのRNAからDNAを複製します。

複製されたDNAは宿主のDNAに挿入され、このDNAにより宿主の細胞機能を利用してウイルスのRNA が複製され、ウィルスが増殖していきます。

生体内で1日100億個のウィルスが産生されると推定されており、人体のウィルス抑制に働く免疫機能との均衡によ り感染者体内のHIVのウイ ルス量が決まります。

このHIVの長期持続感染によ りTリンパ球は次第に減少し、免疫機能の低下、不全状態となり、免疫機能が機能してる時では起こらない、日和見感染症を合併し後天性免疫不全症候群エイズ(AIDS)を発症します。

エイズ(AIDS)発症までの期間は、個人差がありますが感染から平均約8年程度でエイズ(AIDS)を発症するとされます。

ひろと
このウィルスが体内に入ると自分をコピーしながら増殖し、免疫機能を破壊するんだね。

感染部位

教授
HIVは血液、精液などの体液の中に感染するんじゃ。

粘膜部分(口内・肛門・膣など)などの小さな傷や切り傷や刺し傷などの深い傷から体内へ侵入します。

感染経路:性行為による感染が一番多い

教授
HIVは人間の血液や性液 (精液、膣分泌液)母乳にも多く含まれるが、多くは性行為による感染染によるもので、麻薬の静脈注射などの血液感染や母子感染は比較的少ないんじゃ。
さくら
血液感染することが多いってことだけど、セックスする時に出血するの?
教授
男性器を女性器に挿入するセックスや、男性器を肛門に挿入するアナルセックスをす時、摩擦によって目には見えないけど摩擦により皮膚に小さな傷ができ出血があるんじゃよ。

下記に行為と発生率の表がございますので、心当たりがあたりがあるかチェックされると良いでしょう。

感染経路 発生率(%)
セックス(性行為) 70~80%
母子感染 5~10%
薬物常用者による注射針の共用 5~10%
輸血 3~5%
医療従事者の針刺し事故 0.01%未満


HIVに感染する推定確率(コンドームを使用しなかった場合)

HIVの感染確率は行為別に見てみると、どうなっているのでしょうか?表で確認してみましょう。

暴露経路(感染リスク) 1回あたりの暴露で感染する可能性(%)
輸血 90%
静脈注射ドラッグ使用時の針の共有 0.67%
アナルセックス(受け入れ側) 0.5%
針刺し事故 0.3%
膣を使ったセックス(女性側) 0.1%
アナルセックス(挿入側) 0.067%
膣を使ったセックス(男性側) 0.05%
フェラチオ(受け入れ側) 0.01%
フェラチオ(挿入側) 0.005%



HIVウィルスの感染経路で最も多いと言われるのが男性器を女性器に挿入するセックスと男性器を肛門に挿入するアナルセックスです。

性行為による感染中では、特に男性同性間の性交渉によるものが多く、これは出血を伴うセックスが原因であると考えられます。

HIV感染者の精液や膣分泌液、血液などに含まれているウィルスが性行為によって相手に感染します。

オーラルセックスでも同様です。

口内に傷や出血があったり、喉に炎症があると、フェラチオなどのオーラルセックスをするとそこからHIVが体内に侵入する可能性があります。

性感染症による局所粘膜の炎症によりHIVが侵入しやすくなりHIV感染者が他の性感染症の合併率が高いことが指摘されています。

特にクラミジア、淋病、梅毒などの他の性感染症に感染している場合は、性器や粘膜に炎症している事が多いので、血液による接触の可能性が高まるので感染リスクは非常に高まります。

HIV感染者の血液が輸血されたり、薬物使用をする上で注射器を共用したりすることで起こる血液感染も報告されていますが、過去には加熱処理によってウィルスを不活性化していない血液製剤を使用することでエイズに感染する薬害エイズ事件が起こりましたが、現在、日本で使用されている血液製剤は加熱処理されているため感染する心配はありません。

HIVウィルスに感染した母親から生まれる胎児が感染する母子感染の例も報告されています。

感染リスクのある行為

ひろと
つまり、僕たちはセックスによる感染を気を付ければ良いわけね。

参照記事:セックスで膣に挿入された場合(女性)やペニスを挿入した場合(男性)に感染する病気は何か?

参照記事:フェラチオをした場合やフェラチオをされた場合で感染する病気は何か?

参照記事:アナルセックスをされた・アナルセックスをした場合に感染する病気は何か?

HIV・エイズの重複感染の多い病気

教授
HIV以外の性感染症に感染していると炎症部の小さな傷口からHIVウィルスが侵入できるので、HIV感染の危険が高まるんじゃよ。

HIVに感染後に他の性感染症にかかった場合は、免疫力が低下しているので細菌やウィルスの侵入が容易になるので病気が重症化する可能性があります。

感染性の種類 病名
細菌感染 梅毒・淋菌感染症・軟性下疳
ウィルス感染 性器ヘルペス・伝染性単核症・伝染性軟属腫・尖形コンジローム・A型肝炎・B型肝炎・HIV感染性
クラミジア感染 性器クラミジア感染症・非淋菌性尿道炎・精巣上体炎
マイコプラズマ感染 非淋菌性尿道炎
原虫感染 膣トリコモナス・アメーバ―赤痢・アメーバ性肝膿瘍
真菌類感染 外陰部カンジダ症・陰部白癬
寄生虫感染 疥癬・毛しらみ


HIV・エイズの初期症状

さくら
HIVに感染した時って何か初期症状のようなものはあるの?
教授
一応、感染時には初期症状はあるのだが、はっきりした症状は出ないので気が付く人はいないじゃろう。

HIVウィルスに感染すると、数週間でインフルエンザや風邪に似た症状を起こすことがあります。

これは体内でHIVウィルスが急増することで起こりますが、しばらくすると症状はおさまってしまいます。

感染すると2~3週間程で下記のような初期症状が出るとされますが、1~2週間程で症状が消えるため気づかないことの方が多いようです。

HIV感染の初期症状 発生率(%)
発熱 96%
リンパ節の腫れ 74%
咽頭炎 70%
発疹 70%
筋肉痛と関節痛 54%
下痢 32%
頭痛 32%
吐き気・嘔吐 27%
肝臓と脾臓の腫れ 14%
体重減少 13%
口腔カンジダ 12%
神経症状 12%



初期症状が出るとこれを急性HIV感染性といい、主な症状としてインフルエンザに似た症状である39℃の高い熱が出るなどの症状が出ますが風邪と間違えて見過ごしてしまいます。

人によってはリンパ節が腫れ首筋や脇の下、足の付け根が腫れる症状が出る人もおり、これはHIVに感染してから大体2週間後程度に発症し、数日~数週間後には治まります。

次に多いのが皮膚症状で、赤く盛り上がった発疹が顔や体に出て場合によってこの発疹は手足にも出ます。

口腔カンジダは、真菌の一種で人間の常在菌なのですが、口の中に乳白色の苔のような斑点が出ますが、これはHIVでなくても病気などで免疫力が低下すると出る症状なので見落としがちです。

初期症状は様々ありますが、どれも症状が軽微である上、HIV感染では無くてもしばしばある症状なので検査をしないと判定はできません。

潜伏期間:HIVの潜伏期間は数年にわたることも

ひろと
HIVには潜伏期間があるんだよね?
教授
感染後の初期症状が治まってから、無症候期と呼ばれる潜伏期間があり、数年から人によっては10年以上も続くんじゃよ。

潜伏期間では、表面上はなんら目立つ症状が出ないため症状の進行が止まったかのように見えますが、この時体内ではHIVウィルスが急激に増殖しています。

ウィルスは増殖していますが、免疫による抗体がまだ十分に産生されていないので検査をしても陽性反応は出ません。

HIVウィルスに感染して6週間から8週間すると血液中にHIVに対する抗体が増えてくるので、検査をするタイミングとしては2カ月から3か月経過してから検査をすると良いでしょう。

そして、この無症候期は潜伏期間として、10年~20年程エイズが発症するまで続きますが、HIVウィルスは毎日100億個前後増殖し、免疫細胞であるCD4陽性リンパ球は次々とHIVに感染し免疫力は徐々に弱まっていきます。

人体には免疫というウィルスなど外敵が侵入した時に防御する仕組みがありますが、増殖するHIVウィルスと排除しようとする免疫の力が拮抗して、血中ウイルス量は安定した値に保たれます。

この期間は症状は出ませんが、ウイルスを他人に感染させる可能性があり、う無症候期は平均10年続くと言われており、この期間の感染者を「無症候キャリア」といいます。

HIVウィルス感染後、6~8週間の間はウィンドウピリオドと呼ばれる検査を受けても正確な結果が出ない期間になるので、HIV検査は「もしかしたら?」と思ったタイミングから2か月後ぐらいに検査を受けるとよいでしょう。

HIV感染からエイズ(AIDS)発症までの症状と経過

さくら
HIVの感染からエイズの発症までどのように進行するの?
教授
HIV感染症は感染からエイズ発症までが長い期間をかけて進行し、病期は急性感染期、無症候期、固持続性全身性リンパ節腫脹、エイズ(AIDS)発症期)に分類されるんじゃ。

HIVが感染し破壊する免疫細胞CD4がある一定量破壊されるとエイズが発症するので、この病気の進行はCD4の数値が指標として使われるんじゃよ。

健常な人では血液量1㎣あたりCD4の数が600個~1500個ですが、病気の進行にともない無症候キャリア期で500個まで下がり、エイズ関連症候群が顕在化するころには200個まで下がりエイズ発症期ではそれ以下になり日和見感染症の症状が出始めます。

CD4の数値が500個から200個まで減少するに従い、疲労感、倦怠感、頭痛、下痢、高熱、激しい症状が出るようになります。

HIVと免疫細胞CD4リンパ球

HIVはヒトの体に入り込むと、白血球の一種であるCD4リンパ球という細胞に感染しこの細胞を増殖に利用しつつ破壊するのです。

免疫は人間を外部の細菌やウィルスに感染から防ぐ働きをしていますが、この免疫の機能を担うCD4リンパ球を破壊するので、進行すると免疫力が著しく低下します。

CD4リンパ球は、血液中に流れている白血球の一種でヒトの免疫を担当する司令塔の役割をしている細胞なので、減少すると免疫不全となり健康な人ではかからない通常であれば免疫により排除される日和見感染症や悪性腫瘍、神経障害などの病気になり重篤化します。

HIVに感染した時点では症状のない人も多くエイズを発症するまで感染に気付かないという人もいます。

しかし、CD4リンパ球の減少とともに徐々に免疫力が低下し、通常は病原性のほとんどない微生物による感染症などの合併症を発症します。

「HIVの感染からエイズ発症の経過は、感染直後の2~4週間の急性期 ⇒ エイズ発症までの10年~20年の無症候キャリア期 ⇒ 免疫力の低下により様々な合併症を発症するエイズ期に分類されます。」

HIVは、感染後に免疫細胞を破壊しながら増殖し厚生労働省が定めた23の合併症のいずれかを発症した場合、エイズと診断されます。

エイズ経過

急性感染期

教授
HIV感染後、感染者の体内では急速にウィルスが増殖し、血中のウィルス量が上昇し、4週目あたりでピークとなりTリンパ球の一時的な減少が起こる時期じゃ。

その後6~8週目で抗体が産生され感染後6~9ヵ月で血中のHIVウィルスもTリンパ球数も安定し無症候期に入るんじゃよ。

40~90%の感染者が感染後約6週間以内に、発熱、全身倦怠感、リンパ節の節腫脹、咽頭炎、皮疹などインフルエンザのような感染症状があった後症状が消失し無症候期に入ります。

この時期はウィンドピリオドと呼ばれ抗体検査でも陽性反応が出にくい時期でありHIV検査をしても同定が困難であるとされます。

一部の感染者はこの時期のTリンパ球の急激な減少のため日和見感染症を合併したり、重篤なウィルス感染症状のため治療が必要となることもあります。

無症候期

教授
急性感染期を経て数年8~10年程度の無症候期に入るんじゃが、

無症候期は自覚症状も他覚症状もとぼしく、検査をしなければ気がつくことは無いんじゃよ。

一部の感染者では、Tリンパ球の低下により日和見感染が起こり帯状疱疹、結核、カポジ肉腫などの症状が出現する場合があります。

持続性全身性リンパ節腫脹

HIV感染以外に原因がなく鼠径部(そけいぶ)以外の2ヵ所以上の部位で全身リンパ節腫脹がある場合を指します。

上記以外の症状

上記症状に含まれずエイズ(AIDS)に進展する前駆症状、臨床症状が出る場合があり、1カ月以上続く38.5度以上の発熱、下痢、口腔毛様白、斑症、口腔外陰部カ ンジダ症、特発性血小板減少性紫斑病、リステリア症などの症状が出る場合があります。

これれは、エイズ(AIDS)発症直前であることが多く、上記のような症状を発症することが多いとされます。

エイズ(AIDS)発症期

教授
いよいよ身の回りの些細な病気を守れないくらいCD4が減少し様々な病気が出てくる時期じゃ。

Tリンパ球の低下による日和見感染症が起こりエイズ(AIDS)を発症し様々な疾患を合併する時期を指します。

このエイズ(AIDS)発症時期ではと無治療だと約2年程度で命を落とすとされます。

エイズ(AIDS)の指標とされる疾患

厚生労働省では、エイズ診断基準として23の疾患を決めており、その中のどれか1つでも発病した時点でエイズ期となります。

疾患の種類 病名
真菌症 1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)
2.クリプトコッカス症(肺以外)
3.コクシジオイデス症
4.ヒストプラズマ症
5.ニューモシスチス肺炎
原虫症 6.トキソプラズマ症(生後1ヶ月以後)
7.クリプトスポリジウム症(1ヶ月以上続く下痢を伴ったもの)
8.イソスポラ症(1ヶ月以上続く下痢を伴ったもの)
細菌感染症 9.化膿性細菌感染症(13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌などの化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に2つ以上多発、あるいは繰り返して起こったもの)敗血症・肺炎・髄膜炎・骨関節炎・中耳・皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍
10.サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)
11.活動性結核(肺結核*または肺外結核)
*肺結核については、HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る。
12.非結核性抗酸菌症
全身に播種したもの肺、皮膚、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの
ウイルス感染症 13.サイトメガロウイルス感染症(生後1ヶ月以上で、肝、脾、リンパ節以外)
14.単純ヘルペスウイルス感染症1ヶ月以上継続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈するもの。生後1ヶ月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの。
15.進行性多巣性白質脳症
悪性腫瘍 16.カポジ肉腫
17.原発性脳リンパ腫
18.非ホジキンリンパ腫・LSG分類により・大細胞型、免疫芽球型
19.浸潤性子宮頚癌(HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る)
その他 20.反復性肺炎
21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成(LIP/PLH)complex (13歳未満)
22.HIV脳症(認知症または亜急性脳炎)
23.HIV消耗性症候群(全身衰弱またはスリム病)


  • 全身のリンパ節が腫れる
  • 発熱、悪寒、寝汗
  • 食欲不振
  • 慢性の下痢
  • 急激な体重減少、2ケ月で10%以上の減少
  • 激しい頭痛をくり返す
  • 疲労感、脱力感、倦怠感
  • 異常な発疹、全身に数ミリ~10円玉大の赤~暗紫色の結節
  • 舌に白い斑点
  • 貧血、白血球、血小板の減少

エイズ発症時の皮膚症状

「感染による免疫力低下で、外部から侵入する細菌やウィルスへにより、帯状疱疹、ヘルペス、脂漏性皮膚炎、口腔内カンジダ症などを患う」

初期症状では、急性期皮疹が多いのですが、HIVに感染すると免疫力が低下するので、外部から侵入するウィルスへの抵抗力も低下することにより、帯状疱疹、ヘルペス、脂漏性皮膚炎、口腔内カンジダ症などを患う事が多くなります。

皮膚症状 内容
単純ヘルペス ヘルペスはHPVと呼ばれる人間の皮膚にイボを作るウィルスですが、HIVに感染し免疫力が低下すると容易に発症します。口の周辺にできるものを口唇ヘルペスと言い、口の周囲に水疱と激痛を伴う潰瘍が出ます。性器やその周辺にできるものを性器ヘルペスと呼び、小さな水泡が何個か集まってできます。感染した部位の近くがリンパ節野場合は、腫れてしまい発熱や頭痛が出る場合も有ります。
帯状疱疹 体表に赤い発疹と水泡ができて、患部がヒリヒリ痛み人によっては頭痛や発熱、リンパ節の腫れを伴います。水泡の中の水は最初は透明ですが、やがて黄色の膿となり約1週間ほどすると水泡が破れ、跡がただれます。
急性期皮疹 赤いくて膨れた皮膚に直径が5mmから10mmくらいの丘疹が体中にできます。放置すると1週間から2週間ほどで自然と治りますがHIV感染者の場合は症状が続きます。
口腔内カンジダ症 カンジダ菌自体は、常在菌なので本来は気にする程のものではありませんが、エイズ患者は免疫力が著しく低下しているので症状が重篤化します。口の中に白い苔状の物に覆われ、感染性の症状が出ます。
脂漏性皮膚炎 真菌であるマラセチア属真菌が感染する事で、頭部・顔面・胸や背中などの皮脂の分泌が活発な皮膚の部位に、かゆみを伴う赤い斑点が出ます。

HIVに感染した人の90%に皮膚疾患が出ると言われますが、その皮膚疾患にはどのような特徴があるのでしょうか?

「急性期皮疹」は、HIVに感染した初期に現れるのが特徴で、5mmから10mmくらいの赤い盛り上がった丘疹が体中に出るという全身の皮膚疾患で、放置しておけば2週間程度で消えますが、発熱を伴うことも多いです。

熱が出たらなんらかの感染のサインであるということはよく言われていますが、こうした皮膚症状もサインの一つです。

「帯状疱疹」は免疫力低下が原因で、免疫力が高い時は発症しないようなヘルペスウイルスにより赤い発疹が出て水ぶくれになるのが特徴です。

「単純ヘルペス」は、ヘルペスウイルスの活動で発症し小さな水ぶくれがいくつも集まって発症するのが特徴です。

水ぶくれであるということから、見つけやすい病状ではあるとは思います。

普段の生活の中で水ぶくれになることなんてまずないですからね。

「脂漏性皮膚炎」という、頭、顔、胸や背中など、さまざまなところにかゆみを伴う赤い発疹が出るものもあります。

「口腔内カンジダ症」という、口の中に白いこけのようなものが出来るものもあります。のどや食道に発症することもあります。

検査の方法(採取検体・検査方法)

さくら
早期発見のためには、早期の検査が必要だってことだね。

ところで、検査はどのようにするの?

教授
血液を採取し、抗体・抗原・遺伝子の検出検査をするんじゃ。

HIVに感染すると体内の免疫が感染を防ぐ抗体を分泌しますが、HIV検査では、血液の中にこの抗体があるかどうかを調べる「抗体検査」が一般的です。

自宅で行う郵送検査キットでは、自分で採血するためのランセットと呼ばれる採血器具で簡単に採血することができます。

hiv

HIV検査を受けるタイミング

ひろと
検査はいつ受けるのが良いの?タイミングがわからない。
教授
HIV検査は、血液を採取して血中にHIV抗体の有無を調べるんじゃが、感染してから抗体ができるまではある程度時間がかかりその期間をウィンドウ期間と言うんじゃよ。

検査を受ける時は、このウィンドウ期を外し一定期間をおいてから検査を受けることが大切なんじゃ。

HIVに感染した場合、2〜3週間くらいからHIVの遺伝子が検出できるようになり、4週間後より血液中でHIVに対する抗体が検出されるようになり、この抗体が出るまでの期間をウィンドウ期と言いこの期間の検査は正確ではありません。

ですので、検査を受ける場合は、心当たりの行為があった後から核酸増幅検査では2〜3週間以上、抗体検査では2か月以上経過してから検査を受けた方が良いでしょう。

HIV検査はいつでもできますが、気になった行為を調べるためにはその行為から2か月は間をあけた方が良いでしょう。

もし結果が「陰性」であった場合でも、ウィンドウ期は個人差がありますので、最終的な確認の意味で2か月以降の再検査をすると良いでしょう。

HIV検査の結果(陽性・陰性・擬陽性)「感染後、2〜3週間でHIV遺伝子が検出され、4週間後より血液中でHIVの抗体が検出される」

さくら
検査結果ってどのように出るの?
教授
検査結果には、陽性と陰性と偽陽性という3種類の結果が出るんじゃ。

検査をして、陰性であれば「HIV検査陰性」となり、陽性になった場合は「確認検査」を実施し、確認検査で陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「偽陽性」となります。

HIVに感染していないのに陽性となることを偽陽性といい、そのため最初の検査で陽性でも確認検査を行う必要があります。

HIVに感染していた場合

HIV検査を受けた結果、陰性であれば問題ありますが陽性の場合は体内にHIVウィルスが感染している事を意味しますので、治療を受ける必要があります。

また、性行為を避け感染の拡散を防がなければならず、もしHIV感染を自覚しながら性行為をして感染させた場合は傷害の罪に問われる可能性があります。

感染を放置し、免疫細胞の減少が続くとエイズを発症してしまい死亡するリスクが高まります。

病院ではウイルス量と免疫力を定期的にチェックし、発症を抑制する治療が行われ現在は必ずしも死に至らずに、慢性疾患として治療をうけながら生活をすることができます。

検査を受けた方が良い方

無防備な性行為をしてから数日間目で熱や皮膚症状が出ると不安になるかたもいらっしゃると思います。

コンドームを装着しているから大丈夫と思っていても、コンドームは万能ではないので感染リスクは残ります。

教授
下記の内容で、ひとつでも心当たりが有る場合は、検査をすると良いじゃろう。
  • 不特定多数の人との性行為がある。
  • 過去3か月HIV検査を受けて無い。
  • コンドームを装着しない性行為をした。
  • 今までになんらかの性病に感染したことがある。
  • 風俗店に勤務している。
  • 風俗店を利用したことがある。

hiv

予防方法

ひろと
HIVの感染を防ぐにどうすれば良いの?
教授
「感染経路を遮断すること、つまり感染者の血液や体液に触れないこと」が大切じゃ!

HIVウィルスは、B型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスに比べて感染力が弱く、一般的な日常生活で感染したり空気感染することはありません。

このウィルスは、精液や膣分泌液や血液内に多く存在し、これらが粘膜や血管内に侵入することにより感染が成立するため、予防はこれらの侵入を阻止することが大切です。

教授
性行為の時にウィルスの侵入を防ぐにはコンドームを使用すること、感染の危険があるような相手とは性行為を行わないことが大切なんだ。

治療方法

さくら
HIVに感染したらどのように治療するの?治療はできるの?
教授
現在の医療では、HIVウィルスを体内から完全に取り除くことが難しいため、治療の中心はエイズの発症を遅らせる抗ウィルス剤の投与がなされるんじゃ。

HIVウィルスを体内から取り除くことはできませんが、抗HIV薬を使用することで、外来通院しながらエイズの発症を抑えることができます。

次々と抗ウィルス薬が開発されウィルス増殖の抑制、免疫能の回復が可能となりAIDSによる死亡率は低下し今では日和見感染症合併率の低下と長期予後が期待できるようになりました。

現在では早期発見することで、エイズ発症を長期間抑えることができるようになっているのです。

抗HIV薬は大きく核酸系逆転写酵素阻害薬、非核酸系逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬の3種類に分けられ、これらを3種類以上組み合わせて投与するのが一般的です。

気になる方は早めに検査を受け、早期治療することが大切です。

参照記事:性病(性感染症)の治療「抗生剤の服用、注射、塗布により病原体の除去が中心となる。」

母子感染とは

HIV・エイズの母子感染とは、女性が妊娠中に感染するか、感染者が妊娠した状態で出産する事で感染者である母から子供へ感染させることを指します。

母子感染が起こるタイミング

HIVウィルスは血液などの体液を介してかんせんするので母子感染する経路とタイミングは特定されており、子宮内感染、分娩時感染、母乳感染の経路があります。

妊娠している女性が感染経路を遮断する適切な対応策をとることで、母子感染は防ぐことが可能ですが、予防措置をとらないと感染者の母体から赤ちゃんへ感染する確率は25%程に上がります。

母子感染を防ぐ方法

母子感染は、胎内感染、出産時の産道感染、母乳哺育による感染なので、母子感染を防ぐために、妊娠初期のHIV検査実施による感染診断で感染が発覚したら妊娠中の抗HIV療法、陣痛発来前の選択的帝王切開術、帝王切開時のAZT点滴投与、出生児へのAZTシロップ予防投与、出生児への人工乳哺育、などの感染予防対策がなされ、母子感染率を0.5%未満にまで低下させることができます。

子宮内での感染を防ぐ治療

子宮内での感染を防ぐためには、妊娠14〜34週に抗レトロウイルス薬の投与(ARV治療)が開始されます。

ARV治療とは、HIVウイルスが免疫細胞のなかで増殖するのをおさえる薬を使った治療です。

産道での感染を防ぐ帝王切開

出産時に産道で感染する経路は、母子感染の経路の中でも最も感染する可能性が高い経路です。

HIVウィルスは、血液などの体液を介して感染しますが、体液の中でも血液中にウィルスは多く存在します。

出産時は母体からの出血が多く、胎児が産道で母体の血液に触れたりを飲み込んだりすることが多いの感染する可能性が非常に高く、母子感染の50%は出産時に起きるとされます。

この産道での感染を防ぐためには、陣痛前の帝王切開術が望ましいとされ、併せて抗レトロウイルス薬を使うことで感染の危険が低下します。

新生児への投薬

新生児では感染を確認するまでの期間が必要なので生後8〜12時間の間にシロップ状の抗レトロウイルス薬を与え、生後6週目まで投与を続けます。

そしてHIVに感染していないことが完全に診断できる生後18ヶ月目までは、日和見感染症にかかって免疫レベルが下がることを予防するためにコトリモクサゾールという薬を服用します。

代替母乳による育児(授乳を行わない)

母親が感染している場合は、母乳からも感染するので、母乳による育児はできません。

母乳に変わる粉ミルクなどの代替母乳による育児をしなければなりません。

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参照:HIV/エイズの基礎知識 公益財団法人 エイズ予防財団

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